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【読書記録】GitLabに学ぶ世界最先端のリモート組織のつくりかた

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まとめ

内容抜粋

リモート組織の構築

  • ドキュメント文化を発展させるうえで、最新の正確な情報が1箇所にしか存在しないということが重要。
  • リモート組織を構築する上で必要なプロセス
    1. リモート組織に関する認識を改め明示する
    2. リモート責任者を任命する
    3. ハンドブックを制定する
    4. コミュニケーションガイドラインを明示する
    5. ツールの種類を最低限に抑える
    6. 経営陣のデフォルトの勤務体系をリモートにする
    7. リモート作業環境を整備する
    8. インフォーマルコミュニケーションを設計する
  • リモート責任者になるために必要なスキルと才能
    1. ローコンテクスト(コミュニケーションや意思疎通を図る際に前提となる文脈や価値観が少ない)で精密なコミュニケーション能力
    2. 深い共感力と経営者視点、当事者意識
    3. サーバントリーダーシップ(リーダーがメンバーに対して支援- 奉仕する形でリーダーシップを発揮)を通じて、メンバーの声から課題解決できる能力
    4. 高い成果や重要な目標にチームを向かわせるストーリーテリング能力
    5. 組織の力学を理解し、チームをポジティブな方向に動かす調整力
    6. 組織、文化、戦略を進化させるため、外部情報を求め、組織に適用させ続ける学習力と実行力
    7. 部署間の協力関係の構築を行い、橋渡しする能力
    8. 透明性を保ち、物怖じせずに物事を進める能力
    9. グローバルや客観的視点で経営層の意思決定を後押しするアドバイザリー能力
    10. 自己学習や自律行動に対する深い理解
    11. ドキュメンテーションや知識の構造化・体系化に対する深い理解
    12. 非同期での業務に精通し、他人にも指導できる能力

組織・業務改善

  • 集団で共同作業を行う際に、一人当たりの生産性は人数の増加に伴って減少する。(リンゲルマン効果)
  • 自分の責任を軽くするためにコンセンサスを取ったり、自分一人で出来ることを協力することはコラボレーションではない。
  • 責任を追及するのではなく、失敗に至ったメカニズムと意思決定のプロセスに注目する。
  • 意思決定権は責任者にあるものの、同意であれ反対意見であれ、自分の意見は表明する。
  • 不確実性があることを前提に、アクションを起こしながら問題を取り除いていく。憶測のうちは何も改善できない。
  • 多様性を高めるだけでは不十分であり、多様な価値観を相互に理解し合う組織になることでパフォーマンスが向上する。
  • 効果的にイテレーションを活用するために、プロジェクトがもたらしている価値を書き出し、改善点を整理する。
  • 外部にリリースせずに内部で修正を重ねるのはリビジョンであり、イテレーションではない。リビジョンはむしろイテレーションを妨げる真逆の行動。
  • 新たな事実により考えを改めた場合には、その事実を共有し、考えが変化したことを周囲に伝える。
  • 問題が発生した場合は、発生理由と対策をまとめた上で、建設的に問題を表面化させる。
  • パフォーマンスの高いチームは、心理的安全性が高い。
  • 成功循環モデルに表されているように、関係 → 思考 → 行動 → 結果 → 関係の循環構造で、良好な関係は更に良好な関係に繋がる。
  • SMARTな目標を設定する。
    • S:Specific(具体的)
    • M:Measurable(定量的)
    • A:Achievable(現実的)
    • R:Related(目標に関連)
    • T:Time-bound(期限付き)
  • 長期休暇明けは、休暇前の記憶の呼び起こしと休暇期間のキャッチアップの両方が必要となるため、すぐにパフォーマンスを発揮するのは難しい。

フィードバック

  • ネガティブなフィードバックは、ポジティブなフィードバックの6倍強い影響力がある。
  • 期待されているパフォーマンスに対して、こまめにフィードバックを求める人ほど、早期に戦力化する傾向がある。
  • ある事象に関するフィードバックを行う場合は、SBIモデルに沿って、事実に基づき伝える。
    • S:Situation(どのような状況で)
    • B:Behavior(どのような振る舞いをし)
    • I:Influence(どのような影響が生じたか)
  • キャリアや能力開発に関するフィードバックを行う際は、以下3つの観点で伝える。
    • 新たに始めたほうが良いこと(スキルの拡張)
    • 継続すべきこと(プラスを大きく)
    • 改善すべきこと(マイナスを小さく)

マネージャーの責務

  • マネージャーはチームの成果最大化にコミットし、メンバーは自身の成果を最大化するためにマネージャーを利用する。
  • マネージャーは積極的にメンバーと関係性を構築する必要がある。
  • チームの成果を引き出すマネジメントコンピテンシー
    1. 衝突の解決:メンバー間の意見の相違を表面化し解決する
    2. フィードバック文化の体現:リアルタイムで継続的にフィードバックする
    3. ハイパフォーマンスチームの構築:メンバーのパフォーマンスを管理し貢献を促す
    4. コーチング:メンバーの行動変容を促し成長させる
    5. EQ:自分と他人の感情を理解し、その差異を認識しながら、他人に良い影響を与える

意識したほうが良いと感じたこと

ローコンテキストなコミュニケーション

誰が聞いても・読んでもわかるような説明を心掛ける、前提知識や専門用語は説明したうえで使用する

同期・非同期コミュニケーションの使い分け

同期コミュニケーションを行う際には、相手の時間を割いてもらっているという意識の下、事前準備を行い、効率的なコミュニケーションを心掛ける

集団で共同作業を行う際に、むやみに人を増やさない

なぜその人が必要かを考えて協力を依頼する

失敗を失敗で終わらせない

失敗の原因と改善方法を考え、成功の糧にする

こまめにフィードバックを求める

主観と客観の差異を理解し、相手の要求に対するズレを早期に修正する

ネガティブフィードバックは慎重に

フィードバックする際には、良いところをたくさん上げて、最後に改善してほしい部分をフィードバックする

不確実性を受け入れたうえで、イテレーションを速く回す

リスク分析をしたうえで、許容範囲内のリスクであれば、ローンチしてフィードバックを早期にもらう(こまめにフィードバックを求めるに通じる)